銀色暗号がなければKinKiファンなんてとっくにやめてた
KinKiKidsの名曲といえば、ヲタ的には『愛のかたまり』が正解だと思います。
Jr.たちにも歌い継がれていて、これを歌うと出世するとかしないとか……。
ファン投票でも1位でしたし、名実ともに代表曲なのは間違いありません。
でも、個人的なことを言わせて貰えば、私にとっての名曲は『銀色暗号』です。
―というか、『銀色暗号』がなければ私はKinKiファンをやめていました。
そういう意味で、私はこの曲があって本当に良かったなぁと思うし、
もしなかったら、今頃どうしてたんだろうなぁ~とふと考えることがあります。
銀色暗号の前
私は23年(厳密にはもっと昔からかも)以上KinKiを応援してきましたが、
その間ずっと同じ熱量で2人を見守ってきたかと言われると素直に頷けません。
具体的には剛さんがソロ活動を始めて、光一さんの舞台が定着してきたあたり、
2002年~2006年くらいはずっとどこかモヤモヤを抱えながらの毎日でした。
ソロをはじめてからの剛さんは雑誌等で「金田一の頃はいつも死にたかった」、
「KinKiでは好きなことが出来ない」「音楽がなければ自分は死んでいた」と、
ことあるごとにKinKiやジャニーズに対しての不満を口にしていました。
ftrファンと呼ばれる人たちの中にはこの時期をやたら美化する人もいますが、
それほどメンタルが強くない私にとってはかなり辛く苦しい時期でした。
自分の音楽を受け入れられないファンはいらないと言われているような、
踏み絵をされているような感じでやり切れない気持ちにもなりました。
それに対して、光一さんもあまりリアクションがないように感じられて、
この人たちにとってKinKiって一体なんなんだろう?
そんなにソロが楽しいなら、もうKinKiなんてやめればいいのに……と、
冷めた気持ちで画面の向こうを眺めていたのを覚えています。
銀色暗号の後
しかし、何となくズルズルと気持ちを引き摺ったまま迎えた10周年。
アルバム『φ』に収録された合作曲、『銀色暗号』を聴いた瞬間、
それまでKinKiに対して抱いていた不満や不安、不信感etc……、
そういった負の感情が全て昇華されていくのを感じました。
鮮やかな夜が
零していた銀色暗号
一度きりのあの日とふたり
そのふたりだけが
唱えられる銀色暗号
誰も知れない
愛は永久に響く
繊細で雪の結晶のようにキラキラと輝くメロディー、
触れたら溶けてしまいそうなほど切なく甘い歌詞。
インタビューで剛さんは「銀色暗号とは光一と自分の間にあるもの」
「2人にしか理解できない暗号のようなものが確かにある」と、
この曲の歌詞について熱心な口調で説明していました。
それを踏まえてこの曲を聴いてみたときに、
もういいや……あとは2人で好きにやって下さい、と。
良い意味で吹っ切れたというか、他人事になった気がします。
穏やかな気持ちで20周年を迎えられる幸せ
よく他のグループで「ファンは○人目のメンバーです!」と、
感動的な言葉で呼びかけてくれたりする場面がありますが、
KinKiはそうじゃない。ファンはあくまで外野なんです。
2人にとって必要なのはファンでも何でもなくお互いだけ。
ソロ活動の方が楽しそうだとか、蔓延する不仲説だとか、
2人にとってはどうでもいいことなんだろうなぁと。
上手く言えないけれど、『馬に蹴られて死んじまえ』?
KinKiの2人は恋愛関係じゃないからアレなんですけど、
この表現が自分では一番ピンとくる感じがします。
正確に言うと、今でもKinKiに対して負の感情を抱くことはあります。
でも、それに対してあれこれ思い悩むことはほとんどなくなりました。
だって、ファンである私がごちゃごちゃ言ったところで、
2人の間にある銀色暗号とやらには敵わないじゃないですか(笑)
20周年をこんな穏やかな気持ちで迎えられるとは思いませんでした。
KinKiに対する不信感を抱えた暗黒時代の自分に会ったら、
こう言って励ましてやりたいですね。
「とりあえず銀色暗号を待て!」